よくある質問
リウマチの症状にはどのようなものがありますか？
朝の手のこわばり、関節痛、複数の関節の腫れなどがあります。進行すると関節が変形することもあります。外傷や使いすぎがないにも関わらず、関節が腫れている、関節が痛むなどの症状が続くことが重要なポイントです。
手のこわばりが続くのですが、リウマチでしょうか？
手のこわばりは関節リウマチの症状としてよく知られていますが、こわばりだけで関節リウマチと診断することはできません。関節リウマチを疑い受診された方が、腱鞘炎と診断された例も多くあります。ご心配な場合は、一度専門医の受診をお勧めします。
血液検査でリウマチ因子が陽性と言われました。リウマチでしょうか？
リウマトイド因子（RF）は、関節リウマチの患者様では高い陽性率（70〜80％）を示しますが、同様に健康な方でも陽性になる場合があります（健康な方で約5％、60歳以上で約10％）。
関節リウマチと診断するには、関節リウマチの主要症状である関節炎（滑膜炎）の存在を認める必要があります。ご心配な場合は、一度専門医の受診をお勧めします。
関節が痛くて病院を受診したところ、血液検査で異常がないので関節リウマチではないと言われました。
関節リウマチの患者様の中には、リウマトイド因子（RF）や抗CCP抗体検査が正常な方が稀にいらっしゃいます。また、関節リウマチ関連検査が正常でも、関節リウマチに似た症状を示す疾患（乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、その他脊椎関節炎と呼ばれる疾患）もあります。ご心配な場合は一度専門医を受診してください。
関節リウマチにはどのような検査がありますか？
血液検査、レントゲン検査、関節エコー検査などがあります。血液検査にはリウマチに関する様々な検査が含まれます。レントゲン検査は関節の破壊や変形の程度を評価するために行います。関節エコー検査では関節の炎症の程度を評価します。MRIやCT検査は、詳細に骨・軟部組織の状態を把握できますが、欠点は１箇所の評価しかできないことです。一つの関節の痛みが持続する場合、診断に悩む場合などは便利です。当院では同フロアで撮影可能ですので、必要があれば案内いたします。
関節リウマチと診断されました。どのように治療するのですか？
進行の程度は個人によって異なるため一概には言えませんが、抗リウマチ薬という薬で関節リウマチの炎症を抑え、疾患の進行を抑えるのが基本的な治療法です。炎症をうまく抑えることができれば、関節破壊や変形の進行を防げます。すでに関節破壊や変形が起こっている場合でも、炎症を抑えることで痛みの緩和が期待できます。サポーターや装具、自助具が効果的な場合もありますし、手術治療が効果的な場合もあります。年齢、合併症、趣味、人生設計により治療が変わりますので、リウマチ専門医と相談し決めていくことが重要です。
関節リウマチと診断されました。今後どうなるか心配です。
まず、この疾患を理解してください。関節に炎症を起こす自己免疫疾患ですので、手術で切除すれば完治するという疾患ではありません。まずは、炎症を抑え、関節の破壊や変形を防ぐことを目的とした内科的治療によって、良好な状態を維持することが大切です。この状態を維持できれば、疾患のない時とほとんど変わらない生活を送ることができます。良い薬がなかった昔のように、寝たきりになったり、車椅子の生活になったりすることはまずありません。
関節リウマチと診断されましたが、日常生活で気をつける点は何ですか？
炎症がある状態で負担をかけますと変形が進んでしまうため、負担をかけすぎないように注意が必要です。また、すでに変形している関節に過度な負担をかけることも避けて下さい。日常生活において、道具や荷物の持ち方にも工夫する必要があります。治療が奏功し関節の炎症がない状態であれば徐々に元の生活に戻しても構いません。
関節リウマチは完治しますか？
関節リウマチは原因不明の自己免疫異常によって起こると考えられているため、残念ながら今のところ完全に治す方法はありません。しかし、多くの優れた薬が開発され、炎症を抑えることで疾患の進行を防ぐことが可能になってきました。この状態を寛解と呼びます。治療の目標は寛解を維持することです。すでに関節リウマチを長期間患っている場合は、できるだけ炎症を抑えて疾患の進行を遅らせることが目標となります。そのため、薬物療法を継続することが治療の基本となります。ただし、現在、薬物の量を減らしたり投与間隔を延長する試みもありますので主治医と相談して決めていくことになります。
関節リウマチは遺伝しますか？
いいえ、関節リウマチは遺伝する疾患ではありません。ご自身が関節リウマチになったからといって、お子さま関節リウマチに罹るわけではありません。ある程度は遺伝的な関与があると言われていますが、環境的な要因の方が強く影響しています。詳しくはリウマチのページをご参照下さい。
関節リウマチになると、妊娠できないのでしょうか？
いいえ、関節リウマチだからといって妊娠できないということはありません。ただし、薬によっては妊娠に悪影響を及ぼすものもあります（MTXなど）し、妊娠中に使用できない薬もありますので、専門医にご相談ください。
関節リウマチの、生物学的製剤による治療は可能ですか？
はい、可能です。様々な生物学的製剤やキナーゼ阻害剤をお使いいただけます。
生物学的製剤の点滴は可能ですか？
はい、可能です。全てに薬剤を使用可能です。お気軽にご相談ください。
関節リウマチ治療薬の副作用はありますか？
抗リウマチ薬が治療の中心ですが、多少の副作用は出る場合があります。免疫系の抑制による感染症、肺疾患、骨髄機能の抑制、肝臓や腎臓などの内臓への影響などが起こる可能性があります。よって、日常生活での予防、ワクチンも重要な役割を果たします。詳しくは診療の際にご説明します。