リウマトイド血管炎とは?
関節リウマチとともに現れる血管炎を「リウマトイド血管炎(日本では悪生関節リウマチと呼びます)」といいます。
皮膚に起こる血管炎
爪の周辺に見られる「点状出血」
指の血管内膜に炎症が起こり、爪の周囲から点状に出血することがあります。通常は無症状であり、自然に治る場合が多くあります。
「皮疹」、「発疹」、「紫斑」
細い静脈に血管炎が起こると、皮疹、発疹、紫斑が発生する場合があります。
中小の動脈に起こる血管炎
中小の動脈に血管炎が起こると、皮膚の潰瘍や手足の壊疽が現れる場合があります。 皮膚潰瘍は主に下腿に起こり、発症すると皮膚に穴が開きます。指の壊疽は指先に起こることが多く、進行すると黒く変色して壊死します。
臓器に起こる血管炎
動脈炎は、心臓、肺、腸、腎臓、膵臓、睾丸、リンパ腺などの臓器に起こることがあります。特に心臓の血管に炎症が起こると心筋梗塞を、肺で起きると間質性肺炎という形で症状がでます。
末梢神経に関わる血管に起こる血管炎
末梢神経に栄養を送る血管が炎症を起こすと、「しびれ」や「感覚麻痺」などの感覚障害と、思うように動かせなくなる運動障害が起こります。 例えば、入浴時に温度を感じなかったり、履いているスリッパが自然に脱げたりするなどの症状が現れます。
悪性関節リウマチについて
関節リウマチは特定疾患ではないものの、悪性関節リウマチは特定疾患として区分され、これにより医療費助成の受給が可能となります。悪生関節リウマチは、関節リウマチ+血管炎による臓器障害ということになります。
悪性関節リウマチの治療
治療の目標は、悪性関節リウマチに伴う関節外病変をコントロールし、関節の構造的変化の進行と身体機能の低下を抑えることです。悪性関節リウマチの薬物療法には、ステロイド、メトトレキサートなどの疾患修飾性抗リウマチ薬、生物学的製剤、免疫抑制薬、抗凝固薬などがあります。薬物療法以外には、血漿交換療法などがあります。患者様の臨床状態によって治療法の選択は異なります。